青春/陽向
 
いた

だけどどうだ! 言うまでもなく一人で そのような設定だとは思えない
その世界では辛い場面では涙さえ流していたが その時はもう涙さえ出なかった

あの頃は良かったと言われている全然良くない青春が終わり
体から何かが抜け落ち 羽が伸びるという感覚を味わった時
ほっとしたため息とともに
「青春が終わった」
と呟いて その言葉の響きに胸を染み渡らせる
「何 今の方がよっぽど青春だぜ」
と とてつもなく軽くなった心から今までにない深い響き

きれいな景色なんて興味なかったのに心を躍らせる
花びらは散るものじゃなくて今ではきれいと言える
青春ほどの難問はない と誰かの言葉に分からずとも感動し
未熟 未来に熟すと前向きになれば
ただ生きていることさえもすばらしく思えた
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