仕事の花/葉leaf
夥しい計算式の詰まった階段を
毎日一段ずつ登るためには
パソコンの皮をきれいに剥いて
機械の瑞々しい果肉に
自分もなってしまえばいい
機械も人間も絞れば同じ果汁が出てくる
仕事をするということは
型にはまったプリンを皿に落とし
震えるプリンの形を崩しカラメルと混ぜ
無残に散らばったプリンをもう一度
新しい新品の型で完璧に仕上げることだから
今日もプリンは消費され作り直されていく
上司は野に咲く小さな花と同じ香りがする
上司の言葉が絶対であるのと同様に
野に咲く小さな花の人を動かす力は絶対だから
人間はどこまでも制度の中に入り込みながらも
美しく咲く花の香りで権力を行使していく
僕のステンレスのデスクに花が咲いた
脚が根となり事務を吸収してこんなに美しい花を咲かせたよ
僕がこれだけ事務をこなしたから
僕がこれだけデータを打ち込み企画を成功させたから
僕のデスクには仕事の花が咲いた
同僚がみんな羨ましげに見ているよ!
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