雨漏りバケツ半/nemaru
 
今のところ、
雨漏りバケツ半。

溢れることはない。
自信がある。

長雨は、
天井裏に住んでる奴らの糞塊を
丹念にドリップしてくれる。

「凛子、コーヒー的のが、入ったよ。」



ありがとう、
飲めないけど。
一応、お礼言っとく。







いつもの町並や電線達が
無茶ぶりの口笛を吹かされる時、
耐える俺の家からは、
砂のこぼれる
音がする。

ほら、ここ!
ここも!
ここも!

雨漏りと回し蹴りのような周期で軋む家。
不安で押し潰されそうになった
自我(テンション)はハイになり、
とうとう
土砂降りの中を飛び出
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