「サヨナラ」の言葉/オダ カズヒコ
 


冬の西日が射し込む病室で
みっちょんが見舞いに来てくれた

「朝一番の新幹線で
 大阪から来たんだよ
 お見舞いには何がいいか
 オカンと喧嘩しちゃった」

そう言って笑ったみっちょんに
サイドテーブルの林檎を掴んで
投げた

「40度近くも
 熱出たそうやね」

器用に果物ナイフを回しながら
涙声で言った

親の監視を逃れて
会っていた学生時代が懐かしく
これが同じふたりだと
思えないくらいの
今があった

自称 非行OLのみっちょんは
一週間の有給を取って
靴下とパンプスを脱ぎ
ベットの上にあがり込んで
「何しようか?」
なんて
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