ひとつ 奏夜/
木立 悟
ろう
救われさえすれば良いのだろう
手足が暗く
胴体ばかりまばゆい虫が
土を金に銀に染めながら
終わりの地へと歩んでゆく
弦は白黒
触れたら鈍色
客人は薄く 客人は広く
溝のある羽をたなびかせつづける
まばたきと頬
指と彼方
埋まることのないはざまへと
打ち寄せる色をたしかめる
とどかぬ音をたしかめる
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