虚構の道/
佐白光
駅へと向かう道沿いの一画が
何年か前から空き地となっていた
人々は空き地を横切り駅へと急ぐ
一年を通して一日中 人々が行きかうためか
獣道ならぬ 人間道が出来上がる
春から 夏へと季節が移っても
人間道には 雑草も生えない
周りの草が 腰の高さ程になっても
人間道は スジを通している
踏みつけるものと 踏みつけられるもの
生命の存在も許さない 踏みつける圧力
自分の足の行方を 追ってみる
人間道は 虚構への入り口
戻る
編
削
Point
(1)