雨は降り止マズ/アラガイs
よくよく考えてみれば人生の半分は曇り空で、そのうちのまた半分は雨と流れてしまったかのようだけど、パール、僕が一生懸命額に汗して竹の子を掘り返しているときや、少しばかりのお札を伐りながら飛び散る蜜柑の皮を剥いているときにも熱い息は吐きだされ流されてしまったものは数多くあるはずなんだけど。
昔は直ぐに下水道に流れていった気のする雨水も今ではちょっとしたどしゃ降りでも一面水溜まりになってしまうから、その粘土の上を歩くのにもいちいち気を使わなければならないくらい、僕のアキレス腱は周囲の足跡で埋まってしまうよ。
燦々と照り返す汗には箒で掃く土煙りが舞い、夏の日射しを避けてオレンジジュースをぐいっ、と
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