vibgyor七重奏/凍月
黄昏のような明け方、夜の今際
悲しみに暮れる夕焼けの如き早朝は
空の青と昇る陽の赤が
混ざり合い織り成す紫
また明日、と言って君に背を向けた
その明日が今日だ
染まる雲の柔らかい悲しみ、紫
ドアを開けて帰宅する
深く冷たい藍色の壁紙
不安の海は満潮となり
君が離れてゆく夢
身を波に沈め
心は闇に沈む
言い知れぬ不安から逃れる術はなく、藍色
見上げると空は
抜けるような青
空は良い、美しいから
僕は君に釣り合うだろうかと憂鬱になり
視線を落とし
影を見つめて影送り
君に別れを告げてから
僕の残像は霧散して
無価値なんだなと呟く憂鬱、青
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