「小さな虹」と/バンブーブンバ
青い空 青さにきっと届かない
朝
ショルダーバックに
一冊の詩集 開かないと知りつつ
金閣寺へ
参道
しゃがりしゃがりと 修学旅行や外国人
右に左に掻き分けて
観光とは慣行なのね とふけりつつ
楓や椛(もみじ)は虹彩となり
わたしを柔らかくしたりするけれど 尚のこと
尚のこと カマッテクレルナと蒸しかえしたり
歩 歩 歩
参門に樫
捩(ねじ)れ 太り 木肌は荒れ果て
どこまでも高い 梢は幹へ
光を広げる そうして
七百年もここにいるんだね 君は
少し前なら 君とのささやきを詩にしていたのかもしれないけれど
歩
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