「小さな虹」と/バンブーブンバ
 
青い空 青さにきっと届かない

ショルダーバックに 
一冊の詩集 開かないと知りつつ


金閣寺へ


参道 
しゃがりしゃがりと 修学旅行や外国人
右に左に掻き分けて
観光とは慣行なのね とふけりつつ
楓や椛(もみじ)は虹彩となり 
わたしを柔らかくしたりするけれど 尚のこと
尚のこと カマッテクレルナと蒸しかえしたり

歩 歩 歩

参門に樫 
捩(ねじ)れ 太り 木肌は荒れ果て 
どこまでも高い 梢は幹へ
光を広げる そうして
七百年もここにいるんだね 君は 
少し前なら 君とのささやきを詩にしていたのかもしれないけれど


[次のページ]
戻る   Point(3)