悪くないよ/猫の耳
 
あなたは悪くないよ
本当は、誰かにそう言って欲しいのに
私はずっと自分を責め続けている

自分が悪いと
自分を卑下し、貶めるのは
簡単だけれど
貶める度に身体は傷つき
心は摩耗する

けれど本当は
心の奥でずっと叫んでいる
誰か、私の肩を抱いて
あなたは悪くないんだよと言って…
そんなに自分を責めないでと言って…
もう大丈夫だよと…言って…欲しい

夏の空は蒼く眩しく
波の音や
潮の匂いを運んでくるけれど

私はひとり疲れ、朦朧としながら
自分を傷つけ続けている

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