指輪と石/まーつん
 

 星は
 泣きも叫びもしないが
 足蹴にされて、薄汚れていく

 だから時々、
 神が取り上げて
 綺麗に汚れをふき取る

 いつか、私たちが
 本当の意味で大人になったなら
 もっと、優しい転がし方に
 気がつくのだろうか

 私は
 折り取った薔薇の死骸を
 卓の上に置く

 私は
 この花を殺し、巡る輪を壊し
 散るには早すぎる命を
 戯れに奪った


 石を蹴る
 子供のような
 無邪気さで




                                  2014.7.30

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