森山恵詩集『みどりの領分』について/葉leaf
 
操作によって構成し、認識の正確さを追求し、制作することによって自然を征服することを求めた。機械論によって世界は個物に分解され、それゆえ人間も個人に分解され、そこにデカルトの「考える我」という個体原理が成立した。
 一方で有機的自然観は、日常的な自然観であり、あらゆるものはある種の生命的なものを持っていると考え、一つ一つの物の中に固有の原理を認め、その固有の原理は相互に還元不可能であり、個物それぞれの宇宙がより大きな宇宙の生命原理によって包摂されていると考える。
 さて、詩に現れる自然観と言えば、当然有機的自然観であり、機械論的自然観など文学の文脈で現れることはめったにない、と思われるかもしれな
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