ろっく・ぼとむ/凍月
 


  「  」は暗い
ただ暗い場所
        一歩進む毎に
    自分が壊れる音がするのに
 立ち止まる事も許されず
   黒い泥の上を這って より深い闇へ向かう
      「  」では言葉など無い
    逆棘のついたナイフや絶叫・嗚咽・断末魔は
  言葉とは違うから
 「  」には陽が差す事が無い
   憐憫や恵みの裏には必ず
  欺瞞と自己満足しか無いと思われているから
       一度曲がった金属板の
   折れ目が消える事は無い
        粉砕された岩が再び
  元の岩に戻る事は無い
       「  」では
    息を吸う度
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