朝のこどく/葉leaf
太陽がすぐそこに
例えば曲がり角の先に
こっそりと身を隠しているのは分かっているんだ
神出鬼没の太陽はどこにでも身を隠すのが上手だ
どんなに外が暗闇でも僕は太陽の臨在を感じる
やがて本当に太陽が少しずつ光を増し
鳥たちが起きだしさえずり始める
人々もゆっくり起き始める
なるほど僕は孤独ではなくなるが
一日と一日の隙間でどんな時間の推移をも拒絶し
太陽の見えざる臨在を温かく感じていたあの時間の孤独は
一つの儀式のように厳かで
真空や深淵から尊いものを浚い上げるもので
その尊いものを僕はこの明るさの中でもしっかりと握りしめている
尊いものとは例えば時間から切り離された空間そのもの
交換や贈与から切り離された人間の思索そのもの
あるいは社会から切り離された物質の冷酷さそのもの
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