悲しまないか/やまうちあつし
 
悲しまないか
青いマントにくるまって
月明かりを頼りに
この世から逸れていかないか
喜びなんぞ
どこかのだれかにくれてやる
悲しみの中でこそ
きみはすっかり美しい
ぼくのことばもぎらりとひかる
悲しまないか
馬なら用意しておいた
北へ
向かわないか
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