鍵を守る女/朧月
 
女は鍵をたくさん持っているから
いつも重いのだ

男は
穴をたくさんかかえているから
さみしがるのだ

女は鍵を
男へ差し出さなくてはならない
それがわかっているから
どこか冷めているのだ

あわない鍵をもっている
それすらわかっていることは
いっそう孤独を感じさせるけれど

あなたが 鍵のおさまった
やんわりと座っているのをみると
安心している私がいる
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