風も息を潜めて/
信天翁
散策の道なかで遭遇してしまった
街はずれの竹藪から立ち昇った
にびいろの烽火に─それは
宿命をあざ笑うタナトスなのか
四次元をのろうデーモンなのか
それとも
竹藪の奥にはボスに対する
怨念の影武者が潜んでいるのかも
おらは鳥肌をたてながら
振り返りもせず歩幅をひろげた
寂しい郷土史を秘めた住宅街へ
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