自転車置き場/馬野ミキ
いるように見える
あのいつも笑顔のおじさんの闇の部分がこれから露わになるのかと思うとドキドキした
俺は煙草を消しおじさんを見つめた
やるのか!?
犯行に及ぶのか!?
するとおじさんがポケットに手を突っ込んで何か出した
ワオ!
遠くでそれが何なのかよく見えない
釘か?
それでタイヤを一刺しするのか?
俺の心臓は高鳴った
刺せ!
刺せ!
刺してしまえ!
なぜかそう思った
だがおじさんは何事もなかったようにエントランスに向かい自室に帰っていった。
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