・・・/天地無用
気心の知れた仲間に
まだ友人とも呼べない人に
身も知らぬ赤の他人に
それこそ
前触れもへちまもなく
君って、 だね。
て言われ
しばらくはただ
狐につままれたみたく
信じがたいほど落ち窪んだ
氷河にできた谷間に
頭がはまりこんだまま
マイノリティという
概念さえ意味をなさない
たとえるならそんな
心細さに支配されたなら
対処法にはたとえば
カウンターカルチャー
ヒッピームーブメント
すべての人の心に花を
要するに60'S70'S
あたりだったかに
一人の東の女が刻みつけ
一人の西の男が見つめた
と思われる
それはしかし
祝詞なのか呪文なのか
60'S70'Sあたり
一人の東の女と
一人の西の男と
その後二人は懇意となり
ともに白い鉄兜を被り
冷たい戦にお玉で交わるも
途上にて男は死に
女はサングラスを掛け
子とともに交わりつづけ
空を穿ち
胸の谷間を深くしている
記憶違いでなければ。
さて
君って、
詩人だね。
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