男/天地無用
 
 
 ビルの最上階から
 吐物を散らし
 眼下に流れる
 アスファルトに
 群がり狂う者らへ
 呵々と目を瞬かせる
 月へ息を吹きこむ
 開けた夜の中で
 空を睨んだ青竹の
 芽を吹く肩口に
 揺れる腕の口笛を
 留まらせる
 やがて陽が
 鈍い光を放つ
 季節が訪れると
 ひび割れた顔が
 切り刻まれた根が
 地上を隅々まで
 限りなく浸し

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