晩餐/
あおい満月
血が滲んでいる
***
いつものように
黄色いチューブに
乗って家にかえる
チューブのなかは
夏の明日の声で
ざわめいている
アナウンスに投げ込まれていく
目、顔、頭、
誰として触れあっても気がつかない
あるいは、
もえたつ焔を秘めている
窓越しの向こうの
食卓では、
今日はどんな晩餐が
まっているのか
沈黙と深いため息が
皮膚を食いちぎり
血をにじませる晩餐が
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