眠れぬ森の/石瀬琳々
 

たとえばやさしくその指先に触れる花
愛のように ただ静かに触れてゆくもの
愛のように 何ももとめずに


 (雫がすべってはこぼれてゆく
  見つめるようにまなざしの向こうで
  夜が瓦解して やがて)


眠れぬ森の青い鳥をそっと放そう
あなたが道に迷ったらしるべになるように


私は何になるだろう たとえば朝露
たとえばあなたの見ていた夢、その残り香




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