固泥/ねなぎ
 

喉が傷んで
腫れてしまって
声が出ずに
呼吸すら苦しくても
煙だけは
呑んでしまうので
あの日々を思って
探してみる

濃いような
ドロリとした
甘苦さを
飲み干したら
押し寄せて来る
感覚と
込み上げてくる
吐き気に
茶色の瓶
を灰皿にして
飲み下す
乾きを覚える

圧っされて
深く
沈む

抱え込むように
胃が痙攣して
全身で
反射しているのに
力が入らなくて
悪夢のような
繰り返しに
液が黄色過ぎて
洗濯カゴに
頭を突っ込んで
タオルを
引っ張って
抑え付けてたまま
繊維を
噛みながら耐える
夜更けに

[次のページ]
戻る   Point(0)