零ふたり/凍月
 



緩やかな月明かりの下
幻聴なのかと疑ってしまう
微かな電灯の震え
君と僕との待ち合わせ

君の姿が月に照らされ
僕の姿は闇に浮かぶ


 「今なら、死んでも良いな」
僕から君への誓い

  「死なないで…悲しくなっちゃうよ」
君から僕への死刑宣告

愛おしい毒が廻ってきて
胸が苦しくて泣きそうな気分

 「手と手が一番美しくなるのはどんな時?」
  「私と君とが繋がった時」
僕と君との合い言葉
夜に日傘を差してた君が
くるりと回って言った事

  「月の歌は孤独の歌。でも私には今あなたがいるから」
僕が傘を差す理由を問うと
君はそう言
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