散文 【 緑病 】/泡沫恋歌
 
係や会社の雰囲気に慣れるのに必死だった。
雁字搦めの生活が苦痛で何度も泣きたくなった。社会に順応性のない私が、自分を抑えて抑えて働いていたのだから、今考えても、それは相当なストレスだったと思うのだ。
緑色の持つ色のイメージである、自然や癒し、平穏などといったことを深く望んでいたのだろうか。それは自らの嗜好で求めたものではなく、自分を護るための鎧甲冑のようなものだったのだ。そして不本意な生活を強いている社会への怒りを封印するための緑色だったのかも知れない。
その頃の自分は無知で未熟で不安定な生き物だったから――。
まあ、その点については今もあまり変化はないが、ただ、世間の荒波に揉まれて、確実
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