悲しみに暮れている/吉岡ペペロ
 
秋も冬も春も

歩いたね

五月も梅雨も

歩いたね

生き物たちが

呆気にとられて

悲しみに暮れている


ひとが生まれるということは

たぶん津波にのまれることに似ている

ひとが死んでしまうということは

たぶんそれを目の当たりにすることに似ている


秋も冬も春も

歩いたね

五月も梅雨も

歩いたね

生き物たちが

呆気にとられて

悲しみに暮れている







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