コンプレックス/葉leaf
を光らせる必要はないし、自分の頭を風呂敷のように広げる必要もない。光と広がりは既に社会が精妙に構築してあらゆる人の体をぬぐっています。ひとまず息を緩やかにして社会の指使いを体の奥にまで通して行こう。
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いくつもの整った服を重ね着して、いくつもの高価な装飾品を身につけて、皮膚がどこまでも進化していく映像を描き直していく。そんな映像は懐疑を許さないという意味で猥褻だから。映像を駆動する順応のオイルは空虚だから。肩書、業績、成功、そこに至るまでの演奏には正しい不協和音が足りな過ぎるんだ。リズムの逸脱が検閲されているし、そもそもホールを抜け出して雑踏の中で演奏するという芽をきれいに摘んでしま
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