堆積物たち/ホロウ・シカエルボク
古い記憶の欠片が堆積してモスグリーンの湿地帯となり、そこに棲むあらゆる生物たちはどこかしら駄目だ、あるものは上手く見ることが出来ないか、もしくは完全に目が潰れているか、機能として存在していた痕跡すら無い、あるものは鼻が駄目で、あるものは耳が駄目だ、あるものは口が使い物にならなくて、手がお飾りみたいに短くて指すら無かったり、あるいは脚がそうだったり、また見た目にはまともに見えても脳味噌が駄目だったり、肺のどちらかが駄目だったり、心臓がポンコツだったりした、胃や腸がろくに機能しなかったり…要するに欠損を宿命づけられた連中の溜り場で、そういう連中しか生まれてこないようになって
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