恋は三日月/草野春心
 


  シャツの色をわすれた
  自転車を仲よくならべた
  川沿いの道にいつもあった
  だれのものとも知れないさびしさ



  三日月にすこし濡れた
  きみの膝こぞうをそっと舐めて
  水晶玉のような夏に
  ぼくは消えた
  永遠に、
  ほそながい、
  涙だけをのこして



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