ジャズ/葉leaf
 
りを続ける
声帯は愛も憎しみも分解して寄せ集めて建築に変えてしまう
都市は構造を脱ぎ捨てて声帯を切り刻み
原点は都市から滑り落ちて音楽が忘れてしまった自由をすべて思い出している
音楽の都市を守ろうとするいかなる正義も鳥の死骸のように意味がない
都市の声帯を知ろうとするいかなる真実も落し物のように居場所がない
夜が始まろうとするとき原点は呼吸をやめ
朝が始まろうとするとき都市は崩れ去る
声帯は死んだまま人間の原理に逆らう歌を歌い続け
音楽は流れをいくつにも分けて人間をどこまでも迂回する
昼が始まろうとするとき
すべては逸脱したまま、無構造のまま、死んだまま、
高らかにジャズを鳴らし始める

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