ジャズ/葉leaf
 



都市の迷路に波打っている緑の原点たち
原点たちはどんな香りをも演繹せず
冴え渡ったおしゃべりの隙間に破裂して飛び散っている
おしゃべりは思想という場違いな花を排水溝に流し続け
ビル群の記号的メッセージをざわめきながら看過する
原点は内容や伝達による波の広がりを打ち消す波を作り
原点は広がりを持たない色彩であり重みをもたない錘である
音楽の絶え間ない螺旋から人間と自然が発生してきたときにも
原点はそれに先立つ音楽の都市の水路でただのあぶくだった
修飾する声帯だけを持ったレトリックの都市
人間は都市の片隅で茶色の原点に姿を変え
緑の原点と分子結合して共に愛のない踊りを
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