指売り/赤青黄
の挨拶だと気がついたのは、いつだっただろうか、ふと右手を見てみると、そこには僕の手相があった。
僕の手相はとても珍しいらしく、普通なら、手の平の左右から伸びる線は決して重ならないのに、僕の線は繋がり一つの線になっていた。話によると、こうして線が繋がっている人は、その分寿命が伸びるという。あ、だから僕は紙おむつを履いているのか。
手を振る僕の指、一本一本を数えながら、僕の寿命はすり減っている。バイバイ、とさよなら、の違いが、手を振る、その高さの違いにあるのだとしたら、どっちの方が、僕の手相を変えてくれるだろうか。
朝、朝の気だるさを包み込んだ、朝摘みのオレンジの皮剥いて、出てきたのが夕日だった、夕日をグチャグチャにかき混ぜて、フライパンの上で焼いて、パンの上に乗せて食べようとしたら、右手に中指がなかった。
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