指売り/赤青黄
「指売り」
関節を折り曲げると、僕は母親のオムツを取り替えた。という夢を見た。
朝、目覚める度に、オレンジ色の卵をフライパンを上に落として目玉焼きを作ると、夕方五時過ぎ、父親が臭い臭いをつけたワイシャツを脱ぎながら玄関に入ってくる。という夢を見た。
姉は病弱だった。兄は、僕が生まれてくる前に何処かへ遊びにいったまま戻ってこなかった。
僕は姉と良く二段ベットと夜の中でお互いに物語を語っては、いつのまにか朝がきているような、そんな遊びをしていた。
朝、目玉焼きの乗ったトーストを食べていると、父が急に昨日描いたという絵を見せてくれた。
手を振るのが別れの挨
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)