潜る/凍月
 
それが俺自分の事を知って欲しい自分の人生は自分のものそうだろうがそうで無かろうが意識が空中に浮いている肺を濁った空気が灼く心の卑下の念が妬く存在を確立したい違いを意識する度に自己嫌悪が溢れ出る自分に無いものを羨望し他人の背を見て生きるこの世で生きている絶対の証拠など無い主観によってすべてが変わる反転する世界がぐるりと回る人形が歩く人形が喋る何を言っているのか分からない冷たい水を浴びたように収縮する細胞達一定の方向に何も考えずに進む左足の腿からは骨が突き出る右足の踵がすり減って消えるもといた場所へまだいない場所へ唇を噛み刃を研ぐ逃げ続ける為に一歩を踏み出す諦める為に立ち止まる生きる為にただ殺す楽しん
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