人へ/葉leaf
いう名のもとに。
〈3か月目の憂鬱〉
そろそろ地獄廻りも一周したなあ。
天国廻りも兼ねた豪華なツアーだった。
一区切りついたことだし一度地上に戻ろうか。
でも知っている、地上は天国でも地獄でもないただの退屈な場所。
僕の全身に刺青された責任は、
案内役として天国と地獄の上階へと僕を引き上げ一層の苦楽を約束する
〈日曜日の憂鬱〉
気がついたら体が顕微鏡になっていて、
地面に撒かれた極小の海が大写しにされた。
海は僕を勝手に攫って行って、
溺れているうちに気がついたら僕の体は望遠鏡になっていた。
宇宙をめぐっている密林が大写しになると、
今度は僕は密林に紛れ込み、
存在しない出口を探し回る。
そんな日曜日
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