人へ/葉leaf
〈私と社会〉
社会は初め私をくるむ甘い衣のようだった。
私が一人で歩きだすと、
社会は今度は数限りない迷路と罠をしかけてきた。
私が地図を作り罠の避け方を学ぶと、
社会は今度は遠くに見える山頂のように聳え立った。
私が山を登り始めると、
木々は囁きかけ花々は笑い社会はもはや私の体と区別がつかぬ
〈仕事人間〉
日本の社会と経済を支えているのは我々一人一人の名もなき労働者。
日本から更に身近にすぼまって行く輪の中で、
会社、家族、そして自分の存在は自分が作り出している。
過去は捨てろ、現在と未来がたくさんの美味な責任を課してくる。
責任を華麗に燃やし尽くすんだ、成功という
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