マッカラン行きのバス/為平 澪
 
ました

(プロポーズされました、春、桜だったものが、秋桜と呼ばれています。)
ポストに一枚 そんな病葉のような 葉書でも欲しかったのです

私はただ あなたが乗り遅れたと言い訳してくれたら
マッカランを 浴びるほど飲ませたくて
酔った勢いで やり直そうと
もう決して言えない言葉に 焦がれながら
あの日浚われた言葉が 乗り遅れたどこかのバスの停車駅に
まだ 灯ってはいないかと 家路にたどり着くまで 探しています

マッカランの色に酔っていたのは 私の方だと噛み締めながら
二人座ったカウンターは 廃業したのですね

多分 もう一杯飲めると笑ったあなたも
それに怯えたマスターの顔も 私の乗ってるバスは知らない顔で
いりくんだ暗い【し】というトンネルを 抜けきれず
私達は 急ブレーキをよけきれないまま 飲酒運転で 死にました

あなたは桜に戻って 私はあなたを照す月に変わって・・・
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