マッカラン行きのバス/為平 澪
こんなネオンの華やぐ街で あなたは暮らしているのでしょうか
高速道路からでも立ち並ぶ マッチ箱の灯りの何処かに
あなたの名前を 探しています
あの日泣きながら バーテンダーが繰り出すマッカランを
浴びるほど飲んでみたいと 潤んでいたあなたは
私の涙腺の端しっこに 住んでいます
バス停から乗車してくる群衆に 乗らなかった人
それがあなたであったと 知る頃には
次の停留所に向かう放送に 面影は追い越され
距離だけが 植え込みの並木を見送って 長い影を走らせます
よく変わるチェーン店のように あなたがまた遠くへ
引っ越しては明るい暮らしに 馴染んでいると知りまし
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