続・詩のしくみについて (折口信夫とわたしの因果関係を妄想する)/たま
ものはわたしにとって何の変哲もない言葉だったけれど、そこにふられていたルビをみてわたしは衝撃を受けることになるのです。
わたしが「現フォ」に入会したのは四年ほど前のことで、そのとき、ハンネをどうするか迷って犬好きのわたしは「ぽち」を希望したけれど先客がいました。それで、じゃあ、猫になろうと思って「たま」になったのです。そんな「たま」が(霊魂)に化けるなんて夢にも思わなかったのは、わたしの勉強不足というものでしょう。
折口信夫は霊魂を(たま)と呼んだ。その(たま)とは神のことであるらしい。神社の境内に敷き詰められた玉石は、玉(たま)つまり死者の霊魂が宿る石という意味だという。古代の人々に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(16)