奏で、見えず。/てんがねこ
ゆるり、騙るのは手垢のついた
殴り書きの思い出で
なにかをしながら
ふわふわと
溶けていくのを
見守っています。
到底感じられないなんて
遠い日の花の香り。
間違ったまま
過ぎ去っていくのは
きっともう二度はないからでしょう。
口にするもの全てが
痛みを伴っているような、
ぐるぐると廻る真夜中、
蛍光灯を割ってしまって。
ひとつひとつ数えていたら
そのまま固まった。
これでいいのか、
何でなのか、
そんなことすら解らないなんて
どうして?
嫌いなままでいたいんだよ、
親知らずが軋む時みたいに。
じゃあ、終わろうぜ。
晴れた街、白い月。
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