奏で、見えず。/てんがねこ
 

ゆるり、騙るのは手垢のついた
殴り書きの思い出で
なにかをしながら
ふわふわと
溶けていくのを
見守っています。

到底感じられないなんて
遠い日の花の香り。
間違ったまま
過ぎ去っていくのは
きっともう二度はないからでしょう。

口にするもの全てが
痛みを伴っているような、
ぐるぐると廻る真夜中、
蛍光灯を割ってしまって。

ひとつひとつ数えていたら
そのまま固まった。

これでいいのか、
何でなのか、
そんなことすら解らないなんて
どうして?

嫌いなままでいたいんだよ、
親知らずが軋む時みたいに。
じゃあ、終わろうぜ。

晴れた街、白い月。

戻る   Point(2)