ハリウッドと雪の日/瑞海
 

貴方のためなら死んでも良いわ。

とハリウッド女優が言っている映画を見ました

不意に思ったのは
私は貴方を死なせるほどの
影響力があるかという疑問でした

映画館をでてから考えました
死はまだこの年でいくと
人生の選択肢の一部でしなくて
危機とは違います
だけど1人はいつだって寂しいのは
知っているのです
ちゃんと


ある雪の日に
あなたは私に
ハリウッド女優の台詞を
言い放ちました

今書いたようなことを
思い巡らせました

もったいないわ
と口に出しました

言葉が白くなって消えました

あなたは首を横に振りました
私の手を握りました

触れた瞬間に
あなたがハリウッドの台詞を言った理由が
なんだかわかった気がして

目を離せなくて

それに雪が雨に変わったので
寒い寒い河原沿いを歩いて帰りました

幸せだと思いました


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