「 ひととして 」/
椎名
風が流れる
静かに
静かに
時をのせて
積み重ねてきた歴史
生きてきた証が
そこにあるから
ひとは
ひとに
やさしくなれるのだと
包み込む自然が
微笑んで
あなたは
ここに
今
確かに存在しているのだと
唯一認めてくれる
無条件の信頼をもって
それでいいんだと
変わらなくていいんだと
遠い空から
声がする
風に吹かれたそらみみかもしれないが
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