ひとつ 降夜/
木立 悟
千年の蒼に
応えながら
地にはばたく巨大な羽
けして けして
飛び立たぬ羽
灰と銀の柱の周りを
白と鉛の柱が廻る
金と緑の水たまりたち
見え隠れする柱の歩みを映す
夜を模した宝石が
触れようとする指を呑み
煮えたぎる血の音に沈みゆく
光のない原の片目へと
火と雪と雨は降りそそぐ
火と雪と雨は降りそそぐ
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