青いポストに空腹が詰まってるから無理矢理押し込んで/モリマサ公
君はこういうの苦手?
俺はそんなのあきらめていないからどうでもいいし怒れる
君は「できない子」君は「この世で一番できない子」
自分の名前もいえない子
明日どんぐりではがきに
ぐるぐる文字みたいなのをたくさん書いて
青いポストに空腹が詰まっているから無理矢理押し込んで
「でも全然たりてないの、あたし」
雨を飲み、初夏を喰う
それらは動いているので美しかった
あたしはそんなのどうでもよくて
自分の名前もいえないの
ソーダ水は肋骨をいっぱいにみたして
にくしみを強火で炒めると
じゅうじゅう
汗がいっぱいでてくる
汗がいっぱいでてくる
汗がもう夕立みたいで
みずたまりに骨をまいて肉体を育てよう
おいしいにくしみ育つように
銀色に焼かれながら
ふたりははじめての名前をよんで
はじめての名前をよばれた
こんなに孤独な太陽にも声があるように
わたしたちのこころにも感情があった
それにはにくしみや時間や幸福というコンテンツもあって
わたしたちはいつかからだだけになって走り去っていく
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