ひとつ 微塵/木立 悟
 

触れることのできない硬さたち


腕を大きく大きく廻し
羽の無さを補おうとする
廻すたびに崩れる角度
日没前の陽を呑む廃路


厚い夜には
夥しい闇
重なる数を
語らぬ日々


夜の鱗
夜の飛沫
花を花に透す花
蒼の重なりの行き着くところ
別の銀河のまばたきたち


記号が廻る
車輪が廻る
殻に生える羽は飛び去り
肉と傷と光が残され
頬と額につもりゆく


大陸をまたぐけだものの
ひまわりに似た背中から
新たな指が発せられ
全ての方位へ全ての浪へ
鎔けかけたむらさきを撒いてゆく

























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