物語に深みを出すには/yamadahifumi
 
える事が可能になるのは、作者が他人というものを自分と同じ程度で容認するからである。

 例えば、悪党がいるとしよう。そして、こちらには正義派がいて、そして最後には正義派は悪党に勝つ。だが、薄っぺらい作品では、悪党の自己主張が弱い。それは単なる、ぺらぺらの紙のような人物である。そしてそれはフィクションだけでなく、現実でも同じであり、たいてい戦争になれば、まず兵士は敵を人間だと思わないように教育される。ナチスはユダヤ人を人とは思わなかった。太平洋戦争時の日本も同じだったと思う。そしてこの構造は、通俗的な薄っぺらい作品と全く同じ構造を有する。

 良い作品ーーー例えば、『ジョジョの奇妙な冒険』と
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