丘の街で(四)/
信天翁
──平均余命だけがにやにやしている──
瀟洒な閑静といえば聞こえはいいが
実態は里山的過疎というほうがぴったりの
いろつやまだらな丘の街並み
風も光も 時も空も
ただ口をへの字にしているばかり
突然 車のドアが怒鳴ったように舌鼓をうつ
向いのアパートの住人が買い物だろうか
それとも遅番の出勤だろうか そして 再び
森閑が老耄のおひとりさまを包む
きのう来訪した民生委員の声がエコーとなって
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