アマガエル/イナエ
 
こす

 ずぼらなのか
 苦肉の策か 
 大地から離れた屋上
 柔らかい枯れ葉の層も 
 潜り込める腐葉土も無い
 こんなところで冬眠するとは

 街で飲んだ夜 小公園のベンチで
 居眠りするおれと変わりはないか
 
わたしは植木棚を壁際に移し
春の日 
緑色に化って挨拶に来るアマガエルの
幻を描いて鉢をかぶせた

 以下 「アマガエル独身中」に続く

       連作「アマガエル」 過去作              

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