スニーカー/yamadahifumi
 
れた

再創造され続けてるシステムなので

彼らに古びていくものは要はない



人は今、自分がシステムの一部なのか

それとも古びていく一人の人間なのか

そのどちらかを意識しないし、考えはしない



今、僕がシンパシーを寄せるのは

足元に転がっている一つの石

この石一つを生み出すのに

この宇宙はどれほどの労苦と忍耐を必要としたのだろうか

…僕は、そんな事を思う



そして、そんな僕が雑踏を抜けても

行きたい所はどこにもない

世界はいつの間にか僕の中で凍結しており

そして、僕の心もいつの間にか腐っていた



それでも、僕の求めるものは

あの山の向こうにある

…僕はその事を知っている



それで、僕は歩き出す

お気に入りのぼろぼろに破れた

スニーカーを交互に揺らせて

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