スニーカー/yamadahifumi
れた
再創造され続けてるシステムなので
彼らに古びていくものは要はない
人は今、自分がシステムの一部なのか
それとも古びていく一人の人間なのか
そのどちらかを意識しないし、考えはしない
今、僕がシンパシーを寄せるのは
足元に転がっている一つの石
この石一つを生み出すのに
この宇宙はどれほどの労苦と忍耐を必要としたのだろうか
…僕は、そんな事を思う
そして、そんな僕が雑踏を抜けても
行きたい所はどこにもない
世界はいつの間にか僕の中で凍結しており
そして、僕の心もいつの間にか腐っていた
それでも、僕の求めるものは
あの山の向こうにある
…僕はその事を知っている
それで、僕は歩き出す
お気に入りのぼろぼろに破れた
スニーカーを交互に揺らせて
戻る 編 削 Point(1)