紫/はるな
 

与えられた絵具の
いちばん暗い所を指さして
言われたことが
愛でした

あんなにためらいなく混ざりあったから
すっかり忘れていたけれど
紫は
海と血で出来ている

ずい分時間がたって
それがなにかを忘れたころ
わたしたちは
殺しあうのを
良しとした


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